木村屋に代々伝わる物語~かぐや姫伝説~

竹取物語の舞台に鎌先という名が書かれた書物があり、当旅館では、代々かぐや姫の伝説が語り継がれています。かぐや姫に思いをはせながら、鎌先の夜を楽しんでみてはいかがでしょうか。

今は昔、”みちのく鎌先の里”に竹伐りの翁ありけり。さる日、翁、竹林の奥にて、篭を竹を伐りてあるに、竹の一節より貴なる光、四囲を払うをみとめてけり。
いぶかしきことのあるものかな」とて、その竹を伐るに、節のうちよりいと小さき、臈たけたる女子を得たり。
翁、その女子を連れ帰り、嫗とともにいつくしみ育みたれば、いと小さき女子姿形日ごとにおがりて、匂うがごと麗わしくも あえかなる姫御前と成りぬ。

翁、かぐや姫と名付けたり。しかも、こわいかなる功刀にやありけむ、翁の伐る竹の節よりは、きまりて黄金の吹き出てければ、幾許も経ずして、翁、遠き朝廷にもきけるばかり富貴の身とは成りけり。
ときの帝、郡臣ら、国造よりかぐや姫のたより聞こし召し、朝廷にや召さむ、吾が妻にや娶らむと、日ごと夜ごと心を砕き、 翁の館おとなう大臣の君もあまたありけるとぞ。

しかあれど、かのかぐや姫、かたくなに心とざしてえ会わず、とりなす翁の口説にもいつかな肯ずる気色みせざりけり。
さする間に、田実の秋の月、やがて望月を迎えむとするころになりぬ。
かぐや姫、心晴れぬありようなり。翁らあやしみて「憂いのさま、なんの心のつかえやある」と問いただしぬ。
姫のその美しき眉根くもらせてかたるよう「吾が常世国月宮殿に住まう者なり。ゆえありて暫し顕し世にくだり、父母にまさる翁らの恩愛を受けたり。
しかれどもいまに到りて、あれ、常世の君の召しをえたり。月よみの望月を数うる今宵に赴くべし。 幸はあれど翁らとのわかれいと辛ければかくは沈みてありぬ」と答う。

翁の驚き魂消ゆるばかりで、いかにしてやかぐや姫をつなぎとめむと朝廷にすがりければ、幾千を数うる帝の軍兵ども、翁の館ひしと押し囲みて、月宮殿よりの迎えの輿近寄せまじ、剛き矢放ちに放ちて神逐い仕らじと、いと気負いに気負いてありぬ。
かくてはありつれど、常世国の通力、顕し世のそれと異なることはなはだしければ、望月の天心に懸り、青麻、 刈田の神嶺くまなく映し出たされるとともに、仰ぎ見し大臣の眼くらみ、あまた軍兵どもは力萎えて、金縛りさながらのありさまなりけり。

人々、その呪縛よりとき放たれしころに、天空に妙なる楽あり、つき宮殿を目指すかぐや姫の神輿すでにはるかにして、大臣ら酔える心地しつ姫のうたえるを耳にせしとぞ。

なかきよの とおのねふりの みなめさめ
なみのりふねの おとのよきかな

このうたのこころ、いとめでたければ、のちの人、あら玉の年立ち返りし初枕には、きそうがごと枕が下に秘め置きけるとぞ。
希くば諸賢なにとぞ皆様の御湯殿、観月殿にお遊びになられ、月宮殿のかぐや姫が幸にあやかられむことを...

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